にのだん社会保険労務士事務所

人と人をつなぐ「たすき」となり

人事労務管理全般をサポートします

にのだん社会保険労務士事務所だより「たすき」令和7年3月号(No.64)

【①学び続けることの大切さ】

 先日、車の中で聞いていたラジオのニュースで「35年目のラブレター」という映画が紹介されていました。映画のモデルになった方は和歌山県で生まれ、戦時中不幸な境遇の中で学校に通えないまま大人になりましたが、日頃の生活の中で読み書きが出来ない自分を支えてくれた奥様に感謝の手紙を書きたいと定年後に夜間中学校に通うという内容でした。その話を聞いた時、私は昨年の3月に87歳で亡くなった父の姿を思い出しました。

 農家の次男として生まれた父は自身の父親、叔父が戦死し、中学校を卒業してから集団就職で大阪の菓子製造会社で働いていましたが、おそらく高校に進学したくても出来ない境遇であったのだろうと私は思います。

 生前父が家の中で過ごしていた部屋にはたくさんの種類の本がありました。日本の歴史や郷土の歴史の本、一般常識の本、豆知識の本にことわざの本や数学の本など趣味は読書のみならず、特に算数(数学)の計算式を勉強するのが好きだったようでした。

 亡くなったあとに周りの方からよく言われたのが「お父さん本当に物知りで色々教えてくれんたんよ」という言葉でした。私も日頃、高齢の父が語る情報の多さに驚かされましたが、生前は大好きなパソコンで一日中、ネットで調べたいことを検索、知りたい情報をYouTubeで確認するなど好きなことを自由に伸び伸びと継続していた。これも学びのひとつではないかと感じます。

 最近、和歌山市に公立の夜間中学校が誕生するニュースを知りました。学ぶことの出来る環境やそこで学ぼうとする人がいることを聞いて、私自身50歳を超え、年々覚えたことが記憶から抜けやすくなったり、若い頃と比べると明らかに老化が進んでいますが、年齢に関係なく、学びなおすことや好きなこと興味のあることを自身で調べることの大切さ、これからも父がコツコツと知識を習得していた姿を思い出して学び続けたいと感じます。

【②詐欺話にご注意ください】

 父の死後、一人暮らしをしている実家の母から「たった今、NTTから今日中に携帯電話の料金を支払わないと回線を強制的にストップすると言うてきた」と慌てた様子で電話連絡が入りました。

 私は「お母ちゃん、契約している携帯電話は別会社やし、そもそも電話でそんな連絡がくるわけがない。100%詐欺やで」と伝えると「そうかなあ」「大丈夫かなあ」と私の言葉をあまり信じようとしない返事に愕然としました。「お母ちゃん大丈夫か。本当心配するわ。近所の友達に聞いてみて。詐欺の電話だと間違いなく言ってくれるから」と伝え、結局近くに住む人にも同じことを言われて納得したとのことで一安心しましたが、最近私の携帯にも+の記号で始まる明らかに不審電話や訳の分からないメールが届くなど、決して他人事ではないと実感します。

 しかし、母のことを偉そうに言う私も実は、数年前いわゆる「ロマンス詐欺」に引っかかりかけたことがありました。恥ずかしい話ですが、被害にあったニュースが最近よく伝えられていますので、防止の意味も含め経験したことをお話します。

 2年前ですが、とある社労士事務所の跡を継ぐチャンスを頂きながら、色んな心の葛藤があり、自分自身「無理だなあ」と思い悩む日々を過ごしていた時、フェイスブックと連携しているメッセンジャーにシンガポール人と名乗る女性から「友達になりましょう」と普通に考えれば、いくら祖父が日本人と言っても流ちょうな日本語を即時に送ってくることが100%おかしいのに、心の隙間というか、悩みを聞いてくれる相手がその時欲しいと思ったのか、当然送ってくる写真が美しい女性ということもあったかもしれませんが、やり取りを始めることになりました。

 すぐに「メッセンジャーではなくLINEで会話しましょう」と言われ、そこからお互いの仕事の話や趣味の話など、言い訳ではないですがシンガポールで会社を経営しているとのことであったため、外国の人事労務管理について真面目に質問したこともありました。

 彼女からのメッセージが段々と投資話になり、儲けた金額を表示したグラフなどの写真が送られてきました。「絶対儲かる話がある」「あなたなら毎月いくらまで投資出来る?」と言われ、真剣に準備出来る金額を考えたうえ「月●万円なら」と言うと「少なすぎるよ!」と怒られメッセージのやり取りはそこで終了しました。冷静に考えれば騙されることはないかもしれませんが、詐欺は身近なところで突然起こり得るかもしれません。どうか皆さま気をつけてください。

~最後までお読み頂きありがとうございました~